top of page
検索
  • 洸雅 東山

Practice!3 ベートーヴェン:6つの変奏曲ニ長調(トルコ行進曲の主題による)Op. 76

トルコ行進曲といえば何と言ってもモーツァルトが思い浮かびますが、ベートーヴェンのトルコ行進曲(劇音楽「アテネの廃墟」より)もなかなかの人気曲です。今回はこの主題に基づくピアノのための変奏曲について。リピート無しで弾けば4分程度というコンパクトさと、これぞ古典派というようなシンプルな明るさが魅力です。

主題は4分の2拍子、Allegro risolutoで、バスのしっかりとした足取りと明朗快活なメロディーはいかにも行進曲風です。

変奏は全て主題と同じニ長調ですが、legato系の歌う変奏とleggiero系の技巧的な変奏が交互に配置されているため各変奏のキャラクターの違いが明確で、なかなか起伏に富んでいる印象です。第5変奏までは主題と同じですが、第6変奏だけは主題の動機によるパッセージが展開され、大規模で華やかな変奏になっています。後半の装飾音を綺麗に入れるのが難しい・・・伴奏の16分音符の流れを乱しすぎない範囲で、上手に時間を取るのが良いでしょうか。無理やりテンポ通り弾いても、装飾音の面白みが薄れそうです。

変奏の後には主題がほぼ元の形で再登場、さらにコーダが付け加えられています。ありがちではありますが、音域とダイナミクスの変化によってユーモアあふれる締めくくり方になっていて、結構気に入っています(^^)面白く演出出来るといいなぁ。

閲覧数:23回0件のコメント

最新記事

すべて表示

ウェブサイトの写真をご紹介!

ウェブサイトに載せている風景の写真についてご質問を受けることがありますが、これらは僕自身がドイツ留学中に撮影したものです。簡単にご紹介したいと思います。 ホーム・・・レーゲンスブルクにて、ドナウ川沿いを散歩しながら撮影。ミュンヘンなどをめぐる旅行中の半日だけの滞在だったため、有名な大聖堂での少年合唱団の演奏(「大聖堂のすずめたち」)は日程が合わず聴けませんでしたが、美しい街並みに癒されました。 コ

Practice!2 リスト:超絶技巧練習曲集②

第3曲:風景(Paysage) 8分音符の音型が途切れることなく流れ続け、個人的には穏やかな田園風景が思い起こされます。タイトルのPaysageは元来「田舎」という意味を持つそうな。 テクニックの点では保続音、重音のレガート、さらに対位法的なテクスチャの処理に重点が置かれています。ゆっくりとしたテンポ、曲調も大半の部分はdolceで、ショパンの「別れの曲」のような位置づけ?保続音を伴いながら3度の

bottom of page